耳鳴りの薬で新薬があるの?

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ここでは、「耳鳴りの薬で新薬があるのか」
についてお話します。

 

耳鳴りのキーンとしたあの音は、
誰もが体験したことが
あるのではないでしょうか。

 

アメリカでは900万人ほど
(人口の3%ほど)が
常に耳鳴りを抱えているそうです。

 

にもかかわらず、耳鳴りを治
す効果的な治療法は存在していません。

 

耳鳴りに対する治療法としては、
患者さんの症状に応じていくつかあります。

 

一番多くの患者さんが
取り入れているのは、服薬治療です。

 

血管の拡張を行い、血流を良くすることで
耳内の細胞を活性化し耳鳴りを抑制

 

させることを目指すアデホスや
ストミンAがあります。

 

その他に、やはり血流を良くする
目的として処方されるビタミンB12や

 

メチコバールなどのビタミンB12と
作用が似ている薬があります。

 

いずれも耳鳴りの症状を
根治するものではなく、

 

耳鳴りの頻度を減らしたり聞こえにくく
するのが主な効果となっています。

 

病気の治療に使うための薬を
開発している研究者たちにとっては、

 

耳鳴りを治す薬を開発することは
素晴らしく意義のあるものとなります。

 

現在、耳鳴りに悩む多くの患者さんの
希望の星ともいえる新薬が
開発されています。

 

耳鳴り治療薬の候補となっているのは

 

「ネラメキサン(Neramexane)」

 

です。

 

開発中の杏林製薬(キョーリンの子会社)
によるネラメキサンの特徴は、
以下のとおりとなっています。

 

「NMDA受容体拮抗作用及び
ニコチン作動性アセチルコリン
受容体拮抗作用を有し、

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耳鳴に伴う心理的な苦痛、
生活障害の改善が期待される」

 

(キョーリン開発品一覧
(2013年7月30日現在)より)

 

NMDA受容体
(NMDA型グルタミン酸受容体)は

 

脳の中にあり、外界や体内の
刺激から記憶や学習、

 

また脳虚血後の神経細胞死に
深く関わる働きがあります。

 

神経を興奮させる物質により
脳内のNMDA受容体が過剰に

 

働いてしまうと、神経細胞や
記憶などが障害を受けます。

 

ネラメキサンは脳内の
NMDA受容体が過剰に働くことを阻害し、
耳鳴りを抑える作用があるとされています。

 

また、ニコチン作動性
アセチルコリン受容体拮抗剤は、

 

内耳における神経の興奮を
抑制する効果があります。

 

キョーリンの子会社である杏林製薬は
2009年にドイツの製薬会社である

 

メルツ社とライセンス契約をむすび、
現在治験などいくつかの段階をへています。

 

2016年3月時点で
第II相となっています。
メルツ社では第III相です。

 

いつごろ認可がおりて処方薬に
なるのかは、定かではありません。

 

耳鳴りの症状は
つねについてまわるものです。

 

1日でも早く耳鳴りの症状から
開放されたいと願って
治療に励んでいる人も多く、

 

治療手段が広がることから
新薬の認可を心待ちにしている
患者さんも多いです。

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