難聴に効く薬なんてあるの?
ここでは、「難聴に効く薬なんてあるのか」についてお話します。
難聴になることで、
どのような影響が考えられるでしょうか?
程度にもよりますが、
会話がスムーズに進まない、
遠くから呼ばれても気づかない、
車の音に気づかないなど、
例をあげるときりがありません。
ただ言えることは、
日常生活にも支障が出てしまう
場合もあるということです。
また会話がスムーズに進まないことで、
他人との接点を拒むようになる方も
少なからずおられることでしょう。
早めの治療が大切です。
では難聴の治療にはどのような薬が必要なのでしょうか。
難聴の種類
ただ難聴といっても、原因はさまざまです。
難聴の種類も、
伝音難聴、感音難聴、混合難聴と
大きく3つに分けられます。
伝音難聴とは、鼓膜やその周辺、
耳の中の手前の部分に何らかのダメージがあり、
耳が遠くなる状態です。
感音難聴は、耳の奥に位置する内耳に、
何らかの原因により障害が起こり、
耳が遠くなる状態です。
混合難聴は、伝音難聴と感音難聴が混ざった状態です。
難聴を治療するうえで、
耳の障害部位・原因を追求し、
薬の選択・治療しなければならないのです。
難聴に効く薬ってどんなもの?
耳には、外耳・中耳・内耳に分けられています。
1、外耳疾患は、一般的には皮膚の疾患です。
そのため、機能障害を伴うことは少ないです。
2、中耳疾患は、伝音機能の障害を受けるため、伝音難聴を伴います。
・耳管狭窄症:
耳管の炎症により腫れたり、
耳管の周囲組織の圧迫(アデノイドや上咽頭腫瘍)、
筋性・神経性の原因により
耳管開閉機能の障害などにより耳管が狭くなります。
カテーテルを挿入しステロイド剤の耳管内噴霧をします。
鼓室に液体が溜まっている場合は、穿刺にて除去し、
その後ステロイド剤の注入をします。
原因がはっきりしない場合もあり、
対症療法になるためなかなか治りにくいです。
・滲出性中耳炎:
原因は明らかにされていないが、
急性中耳炎の治療が不完全、ウイルス感染、
アレルギーによるものなどがあります。
鼓室内に液体が溜まり炎症を起こした状態です。
原因となる疾患を治療することにより、
症状も改善していきます。
粘膜の腫れがみられる場合、
抗炎症薬や抗ヒスタミン薬などを投与します。
・急性中耳炎:
インフルエンザ菌・肺炎球菌・ブドウ球菌などの感染によって
炎症が起こります。
安静に過ごすことが重要であり、
解熱鎮痛薬・抗生物質・ステロイド剤を投与します。
3、内耳疾患は、内耳にある音を感じる蝸牛があるため、
感音難聴となります。
・内耳炎:
感染経路は中耳炎、髄膜炎、血行性に起こるものがあり、
これらの疾患の治療により改善します。
また抗生物質や消炎薬を投与します。
・メニエール病:
内リンパ水腫が原因で起こりますが、
水腫を起こす原因は不明です。
自律神経異常、アレルギー、循環異常、
代謝異常、ストレス、ウイルス感染など様々です。
めまい・難聴・耳鳴りを三主徴とする疾患です。
安静に過ごし、抗めまい薬、抗ヒスタミン薬、
ビタミン剤、自律神経安定薬、末梢血管拡張薬、
利尿剤などが投与されます。
・突発性難聴:
原因不明ですが、血流障害やウイルス感染である説もあります。
ステロイド剤が有効とされます。
その他、利尿剤、循環改善薬、ビタミン剤などが投与されます。
・老人性難聴:
ほかの臓器と同じように、聴力の退行性変化によるものです。
特別な疾患はない感音難聴です。
ビタミン剤の投与がされますが、
効果は期待できず補聴器の装着が有効です。
その他、難聴を起こす疾患はあります。
基本的に外耳・中耳の障害による難聴は、
障害の回復とともに改善されます。
また、補聴器の装着などにより
聴力は補助されることがほとんどです。
内耳の疾患である感音難聴は、
蝸牛の障害のため
なかなか完治させることは難しいです。
しかし早期の治療が予後を左右しますので
早めの受診をしましょう。
また難聴自体に効く薬ではなく、
難聴を起こす疾患を治す薬で
治療することが大切だということが分かりましたね。